背中ニキビは、カビの一種である「マラセチア」が毛穴で異常に増殖するなど、菌が関わって発生する皮膚トラブルの一種です。
「マラセチア」は高温多湿の環境を好むヒト皮膚の常在菌であり、「マラセチア」が原因となるニキビには以下のような特徴があります。
また、一般的にニキビの原因とされている細菌の一種「アクネ」と、カビの一種「マラセチア」とでは、大きく菌の構造が異なるため、一般的なニキビ対策では背中ニキビへの効果は現れにくいことがあります。
ここでは、背中ニキビの原因について詳しく解説するとともに、日常のケア方法や防ぎ方についてもご紹介します。
背中ニキビとは背中やその周辺に発生するニキビを指し、特に高温多湿になりやすい梅雨時から夏にかけて発生しやすく、繰り返しやすいことが特徴です。
背中だけではなく、胸や首まわり、肩など、皮脂と汗の分泌が比較的多い部位に広範囲にわたって現れることもあります。
近年、ニキビの発生要因として、「マラセチア」というカビの一種がかかわるケースが注目されており、背中のニキビにも「マラセチア」がかかわっているケースが多く見られます。
皮脂の過剰分泌や身体の抵抗力の低下、高温多湿な環境などの要因が重なることで、「マラセチア」は増殖しやすくなります。
一般的に、ニキビ発生の原因は細菌の一種「アクネ」とされていますが、「マラセチア」も「アクネ」も、ともに皮脂を好む菌のため、皮脂分泌が盛んな部位の毛穴に同時にすみついていることがあります。
顔のニキビといえば「アクネ」をイメージしますが、実は顔のニキビにも「マラセチア」がかかわっているケースが多いことが近年の研究でわかってきました。
ニキビには、顔および背中・胸などのボディも含め、カビの関与を考え対策するとよいでしょう。
顔のニキビについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ニキビの原因はカビ?ニキビの原因や種類、スキンケアのポイントについて
背中ニキビの原因の一つは「マラセチア」というカビの一種です。
誰の皮膚にもいる常在真菌(カビ)の一つで、毛穴から分泌される皮脂をエサにして生きています。
「マラセチア」は、通常は皮膚トラブルを引きおこすことはありません。しかし高温多湿の環境が継続することで「マラセチア」が異常に増殖し、皮脂を分解して遊離脂肪酸などの刺激物質を発生させることにより、毛穴に炎症を伴うニキビを発生させると考えられています。
汗をかく季節に悪化しやすいといえますので、梅雨時~夏にかけて注意が必要です。
また、思春期はホルモンバランスの変化によって皮脂の分泌が増えるため、皮脂を好む「マラセチア」や「アクネ」も増殖しやすくなります。
図.マラセチアのイメージ
カビの一種「マラセチア」と細菌の一種「アクネ」は、ともに皮脂を好む皮膚常在菌です。どちらもニキビの原因菌ですが、その構造と性質は、カビと細菌とでは大きく異なります。
たとえば、一般的に細菌の増殖を抑える場合には細菌の構造や性質に着目して開発された抗菌成分が使われます。一方、抗菌成分はカビには効きにくいことが多く、カビの増殖を抑える場合にはカビに特有の構造や性質に着目して開発された抗真菌(抗カビ)成分が用いられます。
ともにニキビの原因菌ではありますが、対策する際にはカビと細菌の違いについての考慮が必要といえます。
背中ニキビの自分でできる日常的な対策のポイントとしては、汗対策と正しい身体の洗い方を身に付け、「マラセチア」を過剰に増殖させないような肌環境に整えることです。
どのようにすればよいか具体的にみていきましょう。
顔のニキビと同じように、背中ニキビが悪化して炎症がおきると、治った後にもニキビ痕(あと)が残ってしまいます。ニキビができたときには、症状が軽いうちに皮膚科を受診し、医師の指導に従って治療を行いましょう。
「マラセチア」はカビの一種であり、ジメジメした高温多湿の環境でより増えやすくなるため、背中ニキビの増殖を抑えるには汗対策が欠かせません。
特に、夏場に汗をかきやすい背中や首もと、胸などは、「マラセチア」が好む高湿環境になりやすいので注意が必要です。可能であれば、こまめにシャワーで汗を流すのも効果的ですが、難しい場合は汗をこまめに拭き取り、肌が乾いた状態を保ちましょう。
汗を拭くときは、清潔なハンカチやタオルを使いましょう。また拭き取る際にこすると皮膚を傷つけてしまうので、肌の表面に溜まった水分をやさしくおさえて拭くようにしましょう。
夏場のような汗をかきやすい季節は、清潔な濡れタオルで汗を拭きとるのもクールダウンできるのでおすすめです。
汗で濡れたままの下着をそのまま着続けていると、カビだけではなく細菌も増殖し、背中ニキビだけではなくニオイの原因にもなります。背中ニキビを気にされている方は、梅雨時、夏場などは、交換用の下着を準備し、汗をかいたあとは下着を交換できるようにしましょう。
下着自体の素材を工夫することも大切です。下着は肌あたりがやさしく、汗を吸収しやすい綿素材のものを使用するようにしましょう。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維の肌着は汗を吸収しにくく、背中ニキビができやすい方にはおすすめできない場合もあります。また、しめつけない下着を選ぶなど、形状も見直してみましょう。
ニキビの原因の一つはカビの一種「マラセチア」ですので、ニキビを防ぐためにはカビに着目した対策が必要となります。背中ニキビの出来やすい方は、ニキビを防ぐ効果のある抗真菌(抗カビ)成分配合のボディソープで洗うことをおすすめします。
おすすめの抗真菌(抗カビ)成分配合の洗浄料は「コラージュフルフル石鹸」シリーズです。抗真菌(抗カビ)成分ミコナゾール硝酸塩と殺菌成分イソプロピルメチルフェノールを配合しており、ニキビの原因となるカビと細菌をまとめて洗浄します。
一般的なボディソープと同じように洗浄してお湯で洗い流した後も、肌にカビの増殖を抑える程度の抗真菌(抗カビ)成分が残るように設計されており、肌での過剰なカビの増殖を抑え、ニキビを防ぎます。
夏になると背中ニキビを繰り返すという方にお試しいただきたいボディソープです。ボディタオルなどで泡立てていただき、背中や胸、脇など、広範囲をまとめて洗うのにおすすめです。
敏感肌にも使えます。
顔にニキビができやすい方には、保湿成分としてCICA(水溶性ツボクサエキス)とホップエキスを配合したコラージュフルフルホイップソープがおすすめです。
背中を洗う際、ニキビや皮脂を気にしてタオルなどでゴシゴシと洗いすぎるのは黒ずみ(色素沈着)の原因となります。肌に刺激を与えないよう、泡でなでるようにやさしく洗いましょう。
また、ニキビを爪でひっかいたり、こすったりすると炎症がおきてしまい、ニキビ痕(あと)の原因にもなりますので気をつけましょう。
湿った環境を避けるためにも洗浄後は水気を残さないようにしっかりとふき取ることが大切ですが、ここでもタオルで肌をこすらないように気をつけましょう。
背中ニキビとは、「マラセチア」というカビの一種が原因の一つとなり発生する肌トラブルです。皮脂の分泌が盛んな背中や胸などの部位にできやすく、汗をかきやすい梅雨~夏場に症状が悪化しやすいなどの特徴があります。
背中ニキビの対策としては、顔のニキビと同様、炎症をおこす前に医療機関を受診して、ニキビ痕(あと)が残らないように早めの治療をおこなうことが大切です。
またニキビを繰り返す場合には、新たなニキビの発生を防ぐために、日々のスキンケアや生活の工夫でカビが増殖しにくい肌環境に整えることを意識しましょう。
カビが増殖しにくい環境を整えるためには、汗をこまめに拭く、シャワーを浴びる、湿った下着は交換する、入浴時に抗真菌(抗カビ)成分配合のボディソープで体を洗うなどの方法があります。
背中ニキビを繰り返すお悩みには、ぜひ対策を実践されてみてはいかがでしょうか。
本記事が繰り返す背中ニキビのお悩みに、少しでもお役に立てれば幸いです。