体のにおいの原因は汗や菌？気になるにおいを防ぐ方法を徹底解説

体のにおいは、汗ばむ季節はもちろんですが、季節を問わず一年を通して気になるものです。とはいえ、ひとくちに体のにおいといっても、においの種類は様々。

汗などが関わる足やわきのにおい、皮脂が関わる頭皮や体のにおいなど、原因には色々な要素が関わっています。さらに、加齢によってにおいが変化する場合などもあります。

体のにおいの原因を知り、メカニズムに基づいた正しいにおい対策を実践しましょう。

体のにおいの原因＜菌および汗と皮脂＞

体のにおいの原因

まず初めに、いわゆる汗のにおいについて説明します。
汗のにおいは皮膚に棲みついている常在菌が、汗、皮脂、垢（古い角質細胞）などを分解することで発生します。におい発生メカニズムをくわしく見ていきましょう。

汗由来のにおいについて

汗のにおいは、主要な体のにおいのひとつです。
夏季や運動後など、汗をたくさんかいた後に放置すると発生する「酸っぱいにおい」や、わきの下などを中心に発生する「わきが」も、汗のにおいの一種です。
汗を分泌する汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、どちらも体のにおいの原因になります。それぞれの特徴がありますので、2種の汗と体のにおいについてご紹介します。

●エクリン腺による汗とにおい

エクリン腺は全身に広く分布しており、分泌された汗が蒸発する際の気化熱を利用して体温を下げる役割があります。そのためエクリン腺の汗は99％が水分で、かいたばかりの汗は無臭です。皮膚表面で汗が皮脂や垢と混じり合い、それを皮膚に常在する菌が分解することで、においが発生します。
衣類なども生乾きの状態が長時間続くとにおいが発生することがありますが、体のにおいと同様で、菌が衣類に残った汚れを分解することでにおいが発生します。

特に足裏はエクリン腺が多く、分泌される汗の量も多くなります。また、革靴やブーツなどをはいていると密閉されているため蒸れやすく、常在菌が増殖しやすい環境になりがちです。菌が増殖すると、酸っぱいにおいの酢酸や、納豆のようなにおいのイソ吉草酸（いそきっそうさん）などが生成されます。

●アポクリン腺による汗とにおい

アポクリン腺はわきの下に多く分布しているほか、乳首の周りやデリケートゾーンなど、限られた部位にしか存在していません。皮膚の表面に開口部があるエクリン腺と違い、開口部は毛根につながっているため汗は毛穴から分泌されます。
また、アポクリン腺は性ホルモンの影響を受け発達しますので、思春期以降にアポクリン腺からの汗の分泌が起こります。一説にはアポクリン腺から分泌される汗は、異性にアプローチするためのフェロモンのような働きがあるといわれますが、くわしいことはわかっていません。

アポクリン腺から分泌される汗にはたんぱく質や脂質などの有機物が含まれています。分泌されたばかりの汗にはにおいはほとんどありませんが、常在菌が有機物を含む汗を分解することで、鼻を突く独特なにおいが発生します。人によっては、鉛筆の芯のようなにおいや、香辛料のようなにおい、古くなったプラスチックのにおい、などと例えられることがあります。
特にわきの下はアポクリン腺だけではなく、体温調節のためにエクリン腺も多く分布します。そのため湿った環境が継続しやすく、においが発生しやすいといえます。

皮脂由来のにおいについて

皮脂由来のにおいも、代表的な体のにおいのひとつです。皮脂による体のにおいをご紹介します。

●皮脂によるにおい

皮脂は汗と同様、最初は無臭ですが、分泌されてから時間がたつと酸化・分解されてにおいが発生します。たとえば加齢臭とよばれる独特なにおいも皮脂由来で、加齢により皮脂の組成が変化することで発生するといわれています。
また、頭皮のにおいも古くなった皮脂が主な原因です。

頭皮の臭いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
頭皮の臭いの原因は？シャンプーの方法や簡単にできる改善方法をご紹介

さらに、細菌と体のにおいの関わりについては従来より広く知られるところではありますが、カビ（真菌）と皮脂による体のにおいの関係についても近年着目されるようになってきました。
実は、誰の皮膚にもいるマラセチア菌とよばれる皮脂を好むカビが皮脂を分解することで、汗のにおいとはまた異なる体のにおいの原因になるということがわかってきたためです。
カビと体のにおいの関係については近年試験も実施されており、特別養護老人施設において入浴介助が必要かつ体臭の強い高齢の方に、「ミコナゾール硝酸塩」配合の石鹸を2週間使用したといったような研究報告もされています。
「ミコナゾール硝酸塩」とはカビの増殖を抑える作用を持つ成分で、市販のシャンプーや石鹸などに有効成分として配合されています。
入浴時に「ミコナゾール硝酸塩」配合の石鹸を使用することは、特にカビが関わる皮脂由来のにおいを防ぐのに役立つと考えられます。

小關, 他 International Journal of Cosmetic Science, 2016, 38

体のにおいの発生を防ぐ方法

体のにおい対策としては、皮膚の表面を清潔に保つこと、菌が増殖しないように、常にさらっとした状態を保つことが大切です。衣類や靴が長時間湿った状態にならないように気をつけましょう。

体を清潔にする

体のにおいの発生を防ぐ方法

におい予防には皮膚を清潔に保つことが大切です。汗をかいたらそのまま放置せず、こまめに洗い流しましょう。汗ばむ季節には毎日入浴して、古い皮脂や垢を適度に落とすことが大切です。
ただし、においが気になるからといって1日に何度も石鹸を使って洗ったり、タオルでゴシゴシと強くこすって洗ったりすると肌をいためますので気をつけましょう。
肌表面のにおい成分や汚れは、手のひらを使って泡でなでるようにやさしく洗っても除去できます。また、石鹸を使っての洗浄は1日1回を目安に行います。日中に汗を流すような場合に都度石鹸を使うのは避けましょう。乾燥肌によるトラブルの原因になります。
においが気になる場合でも、やさしく洗うようにこころがけましょう。

体のにおいが気になる時には、「ミコナゾール硝酸塩」と「イソプロピルメチルフェノール」をダブルで配合した「コラージュフルフル石鹸シリーズ」がおすすめです。

「ミコナゾール硝酸塩」はカビの増殖を抑える有効成分で、「イソプロピルメチルフェノール」は細菌の増殖を抑える有効成分です。

一般的な石鹸と同じように泡でやさしく洗うだけで、肌表面のカビと細菌をダブルで洗浄します。
また、洗い流した後にも、肌表面にカビの増殖が抑えられる量の「ミコナゾール硝酸塩」が残るように設計されています。
肌へのやさしさを考えた処方で、敏感肌の方にもおすすめです。

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衣類や靴、肌が乾いた状態を保つ

体のにおいの発生を防ぐ方法

におい対策には、汗をかいたら早めに拭きとることが大切です。また、衣類は汗が乾きやすい素材で通気性のよいものを選び、肌や衣類が乾いた状態をなるべく保つようこころがけましょう。また、清潔なインナーを持ち歩いておき、タイミングをみて交換するなどの工夫もおすすめです。
市販の汗拭きシートなどを使用するのもいいですが、ゴシゴシと肌をぬぐうのではなく、肌をいためないようにやさしくふき取るように気をつけましょう。

わきの下やデリケートゾーンなど、汗の量が多い部分は、わき汗パッドやおりものシートを使用するなど、湿気がこもらないように工夫しましょう。
市販の制汗剤やミョウバン配合のケア製品なども、汗の分泌量を減らせるのでおすすめです。汗の量が特に多い方は、これらを組み合わせて取り入れるのもよいでしょう。

靴は素材や作りによっては乾燥しにくいものもあります。特に革靴などは毎日同じものを履き続けるのではなく、複数の靴をローテーションしましょう。1日靴を履いた後は、最低1日陰干しして、しっかり内側まで乾燥させることが大切です。

まとめ

本記事では、わきの下、足、または頭皮など、異なる部位ごとに、においが発生するメカニズムをご紹介しました。
それぞれのにおいは、汗が原因の場合もあれば、皮脂が原因となることもあります。また、皮膚常在菌が関係しているようなケースでは、乾いた状態を保つための工夫や、抗菌成分配合のボディソープなどが有効であることもわかりました。
これらの知識や工夫を、日々のにおいケアにお役立ていただければ幸いです。

また、末筆にはなりますが、近年では社会全体がにおいに敏感になっていることもあり、過剰にご自身の体臭を気にされているようなケースもみられます。
本記事に記載している対策方法など、エチケットの範囲で既に十分な対策を行われているケースでは、あまりご自身のにおいを気にされないほうが良い場合もあるかもしれません。

一般的に、ご自身のにおいはご自身では正しく評価しにくいものといわれています。
可能であれば、ご家族や親しい方にアドバイスをいただくなど、客観的な視点から、適切なケアに繋げることが望ましいといえます。
本記事が体のにおいに悩まれている方の一助になれば幸いです。