頭皮のかゆみは、誰しも少なからず経験がありますよね。
軽いかゆみであればすぐに治ることもありますが、治ったと思っても繰り返しかゆみが出たり、ふけや湿疹をともなったりすると対処に困ることも少なくありません。そんな時にはドラッグストアや薬局で購入できる市販の外用薬やヘアケア製品を活用して頭皮のかゆみを乗り切るという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、頭皮のかゆみの状態に合わせたかゆみの対処法や、頭皮のかゆみに使用する市販薬の選び方などについて詳しく解説します。
【本コンテンツについて】
本コンテンツでは自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする「セルフメディケーション」の考えのもと、軽度な「頭皮のかゆみ」への対応について、市販薬や医薬部外品のスキンケア製品を取り入れた対応方法をご紹介しています。ただし、症状の改善が思わしくない場合などには、皮膚科専門医を受診するようにしましょう。
頭皮のかゆみは、かゆみの強さや状態に応じて適切な対処法を考えることが大切です。
初めに、思わず掻きむしってしまうようなかゆみのある時と、慢性的に頭皮がかゆくなりやすい場合にわけて、対処法をご紹介します。
頭皮がかゆくて思わず引っ掻いてしまいそうになる「かゆみの急性期」には我慢せずに、かゆみを抑える効果のある医薬品を適切に使うようにしましょう。強いかゆみで掻きむしってしまうと頭皮に傷がついて悪化したり、掻いたことが刺激となって、かゆい部分がひろがったりすることもあるため、無理せずにかゆみを早急に和らげることが大切です。
強いかゆみがあると、イライラしたり、睡眠不足になったり、仕事や学業がおろそかになり生活に支障が出ることも少なくありません。そのような時には少しでも早く強いかゆみを和らげてあげましょう。
また、医薬品以外にも、保冷剤などで炎症がある部位を直接冷やすことでもかゆみを和らげることができます。
もしかゆくて我慢できないような症状が続くようであれば、たかがかゆみと思わずに、必ず皮膚科専門医の診察を受けるようにしましょう。
慢性的に頭皮にかゆみがでやすい以下のような方には、頭皮のかゆみを防ぐ効果があるシャンプーを日常的に使用することをおすすめします。
では、どのようなシャンプーを選べばよいのでしょうか。
大切なのは、ご自身の頭皮のかゆみの原因を考えたうえで、その原因に合わせてシャンプーを選ぶことです。
慢性的な頭皮のかゆみの主な原因には、頭皮のカビ(真菌)が関わっている場合や、頭皮が乾燥している場合などが考えられます。
または、単純にご使用中のシャンプーの成分が合わないためにかゆみが出る場合もあります。
かゆみの原因に合わせたシャンプーを選ぶ時のポイントを紹介します。
誰の頭皮にも潜んでいる「カビ」がかゆみの原因の場合には、抗カビ(抗真菌)作用のあるミコナゾール硝酸塩配合のシャンプーを選ぶことをおすすめします。
「頭皮のカビって?」と思われるかもしれませんが、実は誰の頭皮にも「カビ」の一種が常在しています。頭皮のカビが増殖しすぎると頭皮のかゆみの原因になることが知られており、その場合には、抗カビ作用のあるミコナゾール硝酸塩配合のシャンプーを使用することで、かゆみを防ぐ効果が期待できます。頭皮のカビの量をコントロールすることは、頭皮のかゆみへの対処として重要であるといえます。
(ご参考までに皮膚科などの医療機関でも、カビが原因とみられる頭皮のかゆみの治療には、かゆみ止めの他に、抗カビ(抗真菌)剤が一般的に使用されています。)
このカビは普通に肌の上に存在しているだけでは害はないのですが、何かのきっかけで過剰に増殖することでかゆみの原因となります。そのきっかけの例としては、過剰なアルコール摂取や脂質の多い食事、睡眠不足などの不規則な生活、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下などが関係しているといわれています。
抗カビ作用のあるミコナゾール硝酸塩が配合されたシャンプーを日頃から使用することで、頭皮に潜むカビの過剰な増殖を抑え、かゆみを防ぎましょう。
特に頭皮があぶらっぽく、日常的にかゆみが気になるという方は、日ごろの生活習慣の見直しとともに、シャンプーをミコナゾール硝酸塩配合のものに変えてみるのがよいでしょう。また、リンスにもミコナゾール硝酸塩配合の製品があります。リンスを使用される方は合わせて使用するのもおすすめです。
頭皮の乾燥はかゆみの原因のひとつです。
しかし、基本的には、頭皮は皮脂腺や汗腺が他の部位に比べて多く、さらに髪の毛によって直接的に外気にさらされにくいため、顔や手足などの部位と比較して、乾燥しにくいといえます。
ただし、1日2回以上など複数回シャンプーをされている方、ゴシゴシと頭皮に負担がかかるような強めの洗い方をされている方、爪をたてて頭皮をこすっている方、熱めのお湯で頭を洗っている方などは、頭皮の皮脂や保湿成分が過剰に洗い流されやすくなります。そうすると頭皮が乾燥し、バリア機能が低下し、ちょっとした刺激でもかゆみが生じやすくなります。
さらに顔や体もドライスキン傾向の方は、頭皮も比較的乾燥しやすいといえ、要注意といえます。
ポイントをおさえて頭皮をやさしく扱ってあげることが大切ですので、日ごろのケアにおいて意識してみて下さい。低刺激性のシャンプーに変えてみるのも良いかもしれません。
頭皮のかゆみが耐え難いほど強い時の治療の基本は外用薬ですが、たくさんの種類の外用薬の中から、どれを選んだらよいのか迷うものです。
今回は市販薬を選ぶ時のポイントを以下に紹介します。
市販薬を選ぶ時には、使い勝手のよいノズルや頭皮への塗りやすさなども大切ですが、頭皮のかゆみに対する有効成分もチェックしておきましょう。
頭皮のかゆみに有効な成分として、炎症を抑える副腎皮質ステロイドや、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬などがあります。それぞれどのような成分か、簡単に説明していきます。
副腎皮質ステロイドは、炎症そのものや炎症にともなうかゆみや赤みを抑える働きを持ち、頭皮のかゆみの改善が期待できます。頭皮以外にも肌のかゆみに対し広く一般的に用いられています。
ただし副作用もありますので使用にあたっては注意が必要です。
副腎皮質ステロイドが配合されたステロイド外用薬には、作用の強さによって5つのランクがありますが、市販薬で購入できるのは、そのうち弱い方から3ランク(strong、medium、weak)の製品です。症状によって使い分けますが、頭皮にはmediumのランクから使い始め、症状が和らいだらweakに変更することが一般的です。
使用にあたってはご自身の症状に合わせて薬剤師に相談するようにしましょう。
一般的な市販のステロイド外用薬のランクは以下の通りです。
●一般的な市販のステロイド外用薬のランク
ランク | ステロイド外用薬 | |
---|---|---|
最強 弱 |
strongest | 市販薬には配合されていません。 |
very strong | ||
strong | ベタメタゾン吉草酸エステル | |
medium | ヒドロコルチゾン酪酸エステル プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル |
|
weak | プレドニゾロン酢酸エステル デキサメタゾン酢酸エステル ヒドロコルチゾン酢酸エステル |
頭皮のかゆみに使用する市販の外用薬には、副腎皮質ステロイドのほか、かゆみを抑える成分として、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分、またはクロタミトンと呼ばれる鎮痒成分、清涼感のあるメントール(化粧品などにも使用される成分です。清涼感でかゆみを紛らわすために配合されている事があり、メントール自体はかゆみに対する効果はありません)など、複数の成分が配合されている製品があります。
かゆみの強さや、患部の状態によって、様々な製品が販売されています。購入の際には薬剤師に相談してみてください。
市販の外用薬には、塗布する場所、使用感に合わせて使い分けられるように、軟膏、クリーム、ローションなどさまざまな製剤が登場しています。
頭皮の場合は髪の毛があるため、頭皮に伸ばしやすいローション剤が使いやすいでしょう。一方クリーム剤や軟膏は頭皮の生え際にかゆみがある場合などに便利です。
また、一般的に軟膏の方が表皮上に留まりやすいため、角質層に比較的浸透しやすいローション剤よりもしみにくく刺激が少ないといわれています。
こちらも、どれが自分の症状に適しているのか不安であれば、薬剤師に相談されることをおすすめします。
ステロイド外用薬に限らず、医薬品には副作用があるため用法・用量を守って使用することが大切です。記載の用法・用量を守って適切に使用している限りは過剰に心配する必要はありません。とはいえ、使用中に何か気になる点があれば添付文書の記載の通りに対応するようにしましょう。
またステロイド外用薬を使用する際の一般的な注意事項ですが、ステロイド外用薬は自己判断での長期連用を避けるべきとされています。なぜかというと、ステロイドという成分は体に備わっている免疫機能を弱めることで、重要な免疫機能のひとつである「炎症」を抑えるという作用機序を持つためです。
たとえば、頭皮のカビの過剰な増殖が原因となって頭皮のかゆみ・炎症が起きている状況においては、ステロイド外用薬を不適切に連用することによって局所的に免疫機能が低下することがあります。その結果、該当部位では頭皮のカビがより増殖しやすくなるため、かゆみが再燃しやすくなるのです。
外用薬を使用したあとに、一時的に良くなったとしても、その後かえって症状が悪化したり、やめた後にぶり返したりするようなトラブルがあるようであれば、使用は継続せず、薬剤師に相談、または医療機関を受診するようにしましょう。
頭皮のかゆみに対して、自分で市販薬を使用する時に覚えておくべき注意点について説明します。
添付文書をよく読み、1回に使用する量や1日に塗布する回数を守ることが大切です。ステロイド外用薬は必要十分な量を塗布することで炎症が治まり、症状の改善が期待できます。一方、用法・用量以上に使用しても、効果がないだけでなく副作用のリスクが高くなるので注意しましょう。
また、頭皮に塗る場合、一般的には少量を指先に付けて患部に擦り込まず、はみ出さない程度にひろげることがすすめられていますが、剤型や容器により異なるため、詳しい使用方法については、添付文書を読んで確認するか、薬剤師に相談するようにしましょう。
市販のステロイド外用薬を添付文書の記載どおりに使用しても、症状が良くならなかったり、かえって悪化したりする場合、または使用した部位にかゆみや赤味など気になる症状が現れた場合などは、使用を中止して必ず薬剤師に相談または、皮膚科専門医を受診してください。その際、使用中の薬を持参するようにしましょう。
頭皮に潜むカビがかゆみの原因なら、「コラージュフルフルネクストシリーズ」がおすすめです。その理由は、コラージュフルフルネクストシリーズのシャンプーには、頭皮に潜むカビの増殖を抑える働きのある「ミコナゾール硝酸塩」と、抗菌成分「オクトピロックス®(ピロクトンオラミン)」をダブルで配合しており、特にカビが原因の頭皮のかゆみに着目して開発されているためです。
市販のシャンプーと同様にご使用いただくだけで、頭皮のカビの増殖を防ぐのに必要な量の「ミコナゾール硝酸塩」が頭皮に残るように設計されています。
また、コラージュフルフルネクストシリーズのリンスには、シャンプー同様「ミコナゾール硝酸塩」と保湿成分の「トリメチルグリシン」が配合されており、フケ・かゆみを防ぎながら、髪にしなやかさとうるおいを与えます。
頭皮にかゆみが出やすい方は「ミコナゾール硝酸塩」配合のシャンプーとリンスをお使いいただくのがおすすめです。
特にステロイド外用薬を使用してかゆみを抑えた後はカビの増えやすい頭皮環境になることもあるため、ミコナゾール硝酸塩配合のコラージュフルフルネクストシャンプー・リンスを継続的にご使用いただき、かゆみを防ぐのがよいでしょう。
コラージュフルフルネクストシャンプー
(うるおいなめらかタイプ)
販売名:コラージュフルフルシャンプーNSa
コラージュフルフルネクストリンス
(うるおいなめらかタイプ)
販売名:コラージュフルフルリンスNSa
※記載の製品の他に、使用感のすっきりとした“すっきりさらさらタイプ”もあります。
※オクトピロックス®(ピロクトンオラミン)はクラリアント社の登録商標です。
この記事では、頭皮のかゆみの対策について、市販薬を使用すべき状況や日常生活のポイント、外用薬の使用のポイントなどを解説しました。
頭皮のかゆみが耐え難いほど強い場合には、適切な外用薬を使用し、早急にかゆみを和らげることが大切です。一方、それほどかゆみが強くない場合や、外用薬でかゆみが治まっている方、一度かゆみがおさまっても頭皮のかゆみを繰り返す方などは、頭皮に潜むカビに着目して開発されたコラージュフルフルネクストシリーズを日常的に使用するのがおすすめです。
頭皮のかゆみを繰り返さないためにも、日頃から頭皮環境を考えたヘアケアを実践するようにしましょう。