毎日シャンプーしているのに頭皮がかゆくなる。自分でも気づかないうちに頭皮を掻いていてパラパラとフケが出る。ヘアカラーで頭皮がヒリヒリする。こんなデリケートな頭皮のお悩みありませんか?
このようなお悩みを抱える「敏感頭皮」は、様々な原因によって慢性的に刺激を感じやすくなっている状態です。
頭皮が敏感になる原因としては、頭皮の乾燥、加齢、紫外線、頭皮に接する物質、疾患や体質、誤ったセルフケアなどがあげられます。さらに、これらいくつかの原因が組み合わさっている場合もあり、原因の特定と対処が難しい場合もあります。
本記事では敏感頭皮になってしまう原因や背景、日常のスキンケアでできる対処法などを解説いたします。
※強い炎症(熱感、痛み、浸出液、強いかゆみなど)がおきている場合は、皮膚科を受診しましょう。
頭皮が敏感になる原因は人によって様々です。さらに、複数の原因が重なっている場合もあります。いくつかご紹介していきます。
敏感頭皮の原因の一つとして頭皮の乾燥があげられます。
頭皮の毛根には発達した皮脂腺が付属しているため、体のなかでもっとも皮脂分泌量が多い部位の一つです。基本的に乾燥しにくい部位といえますが、加齢や疾患、体質、過剰な洗髪などにより乾燥がみられることもあります。
上記では敏感頭皮の一因として頭皮の乾燥があげられる旨を紹介していますが、過剰な皮脂分泌もまた同様に敏感頭皮の原因となります。実は私たちの皮膚には、皮脂を好むマラセチア菌とよばれるカビ(真菌)が存在しており、頭皮の皮脂を栄養に増殖しています。そのマラセチア菌が分解した皮脂(遊離脂肪酸)が頭皮に刺激を与え、かゆみやフケの原因となります。
基本的には頭皮は体の中で最も皮脂分泌が多い部位の一つのため、敏感頭皮の原因がマラセチア菌によるものではないか、一度確かめてみることをおすすめします。
マラセチア菌が関与しているかを確かめる方法として、ミコナゾール硝酸塩配合のシャンプーを使用してみるという方法があります。「ミコナゾール硝酸塩」とはカビの増殖を抑制する成分です。
「ミコナゾール硝酸塩」が配合されたシャンプーやリンスはドラッグストアなどでも市販されており、「コラージュフルフルネクストシリーズ」などがあります。まずは「ミコナゾール硝酸塩」配合のシャンプーを1ヶ月程度続けて使用いただくことをおすすめします。
ミコナゾール硝酸塩配合のシャンプーに関する参考記事はこちら
フケ・かゆみ対策シャンプーの選び方とは?おすすめのシャンプーをご紹介
一般的に、洗浄力の強いシャンプーは頭皮の乾燥の原因となりやすいため、敏感頭皮の方は避けたほうがよいでしょう。
また、一般的な洗浄力のシャンプーであっても、使い方によっては過度な脱脂がおこり頭皮の乾燥につながります。たとえば、一般的にシャンプー原液は界面活性剤濃度が高いため、ほとんど薄めずに頭皮にシャンプーを乗せることで、部分的に過度な脱脂が起きる可能性があります。さらに40℃以上の湯温のシャワーも、それ自体が皮膚の脱脂の原因となります。
頭皮に爪を立てたり、ゴシゴシと頭皮をこすったりするような洗い方もNGです。
ヘアカラー剤やパーマ液は一般的に刺激の強い成分が含まれていているため、カラーやパーマ後に頭皮がヒリヒリする、かゆくなるといったトラブルが比較的多いといえます。また、カラー剤に含まれる成分にはアレルギーの原因になりやすいものがあります。使用の際には添付文書をよく確認する、過去に白髪染めなどでかぶれたことがある場合には繰り返しの使用は避ける、など注意が必要です。
上記で既に記載されているものも含みますが、シャンプー、ヘアカラー剤、スギ花粉など様々な物質がアレルギーの原因となります。そのほか、帽子に使用されている素材、ヘルメット、ヘアピンに使われている金属など、日常的に頭皮と接触するあらゆるものがアレルギーの原因となる可能性があります。頭皮にかゆみや原因のわからないトラブルが続く場合には、身の回りのものも確認してみましょう。
過剰な頭皮マッサージやブラッシング、きつく縛るなどの髪型、頭皮に爪を立てるなどの誤ったシャンプー方法、ドライヤーの熱、紫外線、蒸れやすい帽子などが例としてあげられます。ライフスタイルや生活習慣により様々な可能性が考えられます。
敏感な頭皮のケアの際には、できるだけ刺激を与えずに清潔な状態を保つことが大切です。刺激をおさえながら実践できる、日常の頭皮ケア方法を解説します。
シャンプー・コンディショナーが肌に合わないと感じることが多い方は、まず「低刺激性」や「パッチテスト実施済み」について表示があるものを選ぶとよいでしょう。さらに、既に特定の成分にアレルギーがあることがわかっている方は、該当成分を含まない製品を選ぶことも大切です。
特定成分の合う・合わないはよくわからないものの、なんとなく肌に合わない製品が多いという方は、1製品の中に含まれる成分数ができるだけ少ないシンプル処方の製品を選ぶと良いでしょう。
また、香料は必ずしも刺激が強い成分とは限りませんが、香料自体が複数成分で構成されていることが多いため、無香料のシャンプーを選ぶ方が無難です。
肌に合わない成分が特定できていない敏感頭皮の方にとって、多数の成分で構成されるヘアケア製品を使用することは、それだけ肌に合わない成分と接する可能性が高まるといえます。
特に頭皮に接するシャンプーは、シンプルな処方の製品を選ぶようにしましょう。
洗髪方法にはいくつか注意ポイントがあります。以下にまとめましたので参考にしてください。
頭皮への刺激となる要因を減らすために、例として以下のような対策をご紹介します。ご自身のライフスタイルにあわせて検討してみてください。
敏感頭皮とは、日常的に刺激を感じやすくなっている頭皮の状態を指します。その原因は、誤ったケア方法や、肌に合わないヘアケア製品、染毛剤、頭皮の角質バリア機能の低下、乾燥傾向、加齢、季節的な要因など様々であることがわかりました。
敏感頭皮のケアを考える上では、まずは自身にとっての刺激の原因を特定すること、そしてそれらを除去することが基本です。肌に触れる製品や日々のヘアケア習慣などが肌への刺激となっていないか確認しましょう。
原因が特定しきれないような場合には、なるべくシンプルな処方の肌にやさしいシャンプーを使用する、シャンプーのすすぎはしっかりと行う、などといった日々の工夫が必要になります。
最後になりますが、炎症症状があるなど、かゆみや痛みがひどい場合には、速やかに皮膚科を受診するようにしてください。
一方、頭皮が敏感で悩んでいるけれど、病院に行くほどではない・・と思って長期間悩まれているような場合にも、一度は皮膚科専門医の診察を受けられることをおすすめします。
本記事が敏感頭皮で悩まれている方の一助となれば幸いです。